CARBOOCEAN　プロジェクト

CARBOOCEAN統合プロジェクトは，海洋における炭素収支をより正確に把握することを目的とする。また，現在の大気―海洋間における二酸化炭素フラックスの確度を，全球においては2倍，大西洋においては4倍高めることを目指す。この統合プロジェクトは，現在の海洋（特に大西洋と南大洋）の炭素循環の在り方を示すとともに，プロセス解明，そして予測を行う。以下の問に答えうる結果を得るであろう：

• 大西洋と南大洋の人為起源炭素のシンクはどのくらい大きい？つまり，深層水が形成される海域における炭素の鉛直輸送はどのくらい効率がよいか？

• ヨーロッパ大陸を含む環大西洋における炭素収支に，ヨーロッパの河川と沿岸はどのくらい寄与しているか？

• 海洋における炭素吸収に重要な生物地球化学的フィードバックは何か？

• 今後200年における気候変動の元，上述したフィードバックは異なる空間スケールにおいてどのくらいのインパクトがあるか？

CARBOOCEAN統合プロジェクトは，これらの問の回答を得るため，大規模な海洋観測，プロセス研究，および高度な数値モデリングを行う。この三つの活動は，現状の把握，理解，そして予測に呼応する。より具体的には，以下を行う：

• 過去2百年における海洋の炭素収支を観測データによって明らかにする。

• フィールド，実験，数値モデリングによる海洋炭素循環のプロセス解明を行う。

• 現在から前後200年間における炭素収支を，モデリングと観測と通して，総合的に明らかにする。

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